こんにちは。今回はパチンコ業界の歴史の中でも極めて残忍、かつ計画性の高い連続殺人事件として知られる
**「群馬パチンコ店員連続殺人事件(2003年)」**について詳しく掘り下げていきます。

■ 事件の背景:2人の加害者、共通点は「金」と「パチンコ」
犯人は無職の男T(当時36歳)と、そのパチンコ仲間であるコンビニ店員O(当時25歳)。
2人は過去に同じパチンコ店で勤務経験があり、気が合う関係だったとのこと。
当時、Tには約150万円の借金があり、まともな収入もなかったことから、**「金を楽に手に入れたい」**という思考に傾倒していったと言われています。
■ 第1の事件(2003年2月23日):元同僚を殺害し、売上金300万円を奪う
被害者はTの元同僚で、伊勢崎市のパチンコ店で勤務していたAさん(47歳)。
TはAさんが勤務先に住み込みで働いていること、そして店舗の警備システムや金の管理方法にも詳しかった。
犯行の流れ
- 2月23日 午前1時ごろ
Aさんが買い物に出かけようとしたところをTが呼び止め、Oが運転する車に乗せる。
勢多郡宮城村(現在の前橋市)の山林へ連れていき、ロープで首を絞めて殺害。 - 午前3時ごろ
Aさんが持っていた店舗の鍵を使い、警備システムを解除して店舗に侵入。
金庫から売上金約300万円を奪取(500円硬貨や五千円札が中心)。 - 午前4時ごろ
遺体を埼玉県行田市の福川水門付近に遺棄。
その後の動き
2人は奪った金を半分ずつ持ち、Oは大量の500円玉を太田市内の複数の銀行で両替していた。
だが、1ヶ月もしないうちに金は遊興費などで消える。そして2人は再び犯行を企てる。
■ 第2の事件(2003年4月1日):またしてもパチンコ店員を殺害、今度は失敗も…
次のターゲットは、TとOがよく通っていた太田市浜町のパチンコ店の店員Bさん(当時25歳)。
犯行の流れ
- 4月1日 午前2時ごろ
勤務を終えたBさんを駐車場で待ち伏せ。
再びロープで首を絞め、殺害。
Bさんの財布に入っていた11万9000円と、店の合鍵を奪う。 - 店舗へ侵入するも、金庫の解錠に失敗して何も取れず。
その後、Bさんの遺体も同じく福川水門へ遺棄。
■ 遺体の発見と逮捕への展開
- 3月18日:最初の被害者Aさんの遺体が、福川さすなべ排水門付近で発見。
- 4月4日:現場周辺を捜索していた警察が、第2の被害者Bさんの遺体を発見。 腐敗が進んでいたため死因の特定は困難だったが、遺留品などから犯人の絞り込みが始まる。
警察は、「パチンコ店の内部情報に詳しい者の犯行」として関係者を洗い出し。
やがて、TとOが浮上。決定打となったのは、Oが両替した500円玉の足取りでした。
■ 裁判と結末:2人とも死刑、そして2021年に執行

さいたま地裁での裁判では、「極めて冷酷・反省の色がない」として死刑を求刑。
2004年、2人に死刑判決が下されます。
- Tは控訴を取り下げ、2006年に死刑確定
- Oは最高裁まで争うも、2009年に死刑確定
そして――
2021年12月21日、東京拘置所にて2人の死刑が執行。
同日、大阪では別の死刑囚の執行も行われたため、当時は複数メディアでも報道されました。
■ 犯人の人物像と動機の闇
- T(無職・借金あり):事件の主導者。元店員で店舗の構造・金の流れに精通。
- O(コンビニ店員):Tに協力する形で参加するも、2件目は主体的に行動。
- 動機は一貫して「金」。しかし、その金はパチンコや飲食など遊興費に消えていった。
この事件は、金銭欲と人間関係の歪みが殺意に直結した典型例とされています。
■ まとめ:パチンコ業界と犯罪の接点に警鐘を
この事件は「パチンコ」という娯楽の裏にある人間関係・金銭欲・弱さが引き起こした、
極めて痛ましい犯罪です。
事件から20年以上が経過しましたが、パチンコ業界の安全管理や、
従業員のケア・セキュリティ体制の強化など、改めて考えるべき課題を残しています。
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